アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは

 

アルツハイマー型認知症とは、脳の中にアミロイドβという蛋白質が溜まり、

正常な脳の神経細胞を壊して脳を萎縮させる病気です。脳の萎縮は徐々に進行します。
短期記憶を司る海馬にも起こると、体験したこと自体を忘れてしまう記憶障害が起こります。
記憶障害が起こると、新しいことを覚えられなくなります。
また、見当識障害と言われる年月日や時間、季節などの感覚が薄れていきます。
さらに進むと、今自分がどこにいるのか、人物が分からなくなります。
その他、理解力や判断力が低下していきます。

認知症の半分以上を占め、女性に多い

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で一番多いとされており、男性よりも女性に多く見られます。

また脳血管性の認知症などの患者数が横ばいであるのに対して、増加の傾向があるとの報告があります。
アルツハイマー型認知症の症状

記憶障害

アルツハイマー型認知症の代表的な症状がもの忘れです。

誰でも忘れる事はありますが、忘れている事やヒントを与えられると「そうだ、忘れていた」と思い出せます。
しかしアルツハイマー型認知症の方は、体験そのものを記憶できていないため、思い出す事が出来ません。

例えば、「会う約束をしていたとしても、約束をしたこと自体を忘れてしまい、

そんな約束をした覚えがない」、「病院の受診日を忘れてしまう」となってしまうところが、

一般的なもの忘れと違うところです。

 

判断能力の低下

 

アルツハイマー型認知症になると判断力も低下します。

例えば料理をする際、調味料をどれくらい入れたら良いかや、どんな食材を使うかなどの判断が出来なくなります。

そのため、家族が認知症に気づくタイミングのひとつに「味付けが変わった(濃すぎる・薄すぎる)」、

「調理に時間がかかり、手際が悪くなった」などの変化がみられます。

さらに、症状が進行すると、手順がわからなくなって料理すること自体が出来なくなります。

掃除をする際、捨てる物がわからない、片付け方が分からなくなる為、部屋が散らかりゴミだらけになる事もあります。

臭いにも鈍感になる為、ゴミが増えても気になりません。

また服がちぐはぐになったり、季節に合わない服を着たりする事もあります。

見当識障害

最初に起こるのは、今日の日付がわからなくなり、時間の感覚が分からなくなります

例えば、昼夜や季節に合わせた服装ができません。

次に、自分がいる場所がわからなくなり、買い物先などの良く行く場所で迷子になったり、

家の中でもトイレの位置がわからない、またトイレの前に立ってもドアがわからなくなり、

失禁してしまう場合も出てきます。

そして、人の判別ができなくなります。家族を別人と間違えたり、「どなた?」と聞く場合もあります。

その他の行動・心理症状(BPSD)

大事な物が無くなった、盗られたと家族を責めたりする「物盗られ妄想」や、外へ出てウロウロする「徘徊」、お風呂に入らないなどの「介護拒否」などがよく見られるようになります。

また家族の顔がわからなくなったり、鏡に映った自分の顔がわからず「怖い顔をした人がこっちを見ている」と

それに対して怒ったり、介護を拒否する事も出てきます。

次回はアルツハイマー型認知症の方の対応策をお伝えします!